マサイキリン ~宮崎市フェニックス自然動物園~

動物観察日記

宮崎市フェニックス自然動物園の年間パスポートを購入しましたので、ときどき散歩を兼ねて訪問しています。ここには、マサイキリンが3頭います。「キリン解剖記」のときにも記載しましたが、日本にはマサイキリンが全部で7頭のみ存在し(宮崎、熊本、鹿児島各県の3動物園)、この宮崎市フェニックス自然動物園にはこのうちの3頭が存在します。

看板の案内を参照にじっくりと観察してみました。

トウマとコユメの紹介がされています。

トウマ(冬真、オス)

2016年1月27日生まれのオスです。熊本市動植物園生まれで、繁殖のために2017年に宮崎市フェニックス自然動物園に来園しました。父はリキ、母はランです。

トウマ。眼の間、前額部に計3本の角があります。前額部の角の先には毛がありません。後頭部にも突起(オスの特徴)がありますが、これは角とは定義されないようです。

キリンの寿命は自然界では25歳、飼育下では28歳と言われており、まだまだ若いオスです。角の先に毛がないことでオスだと判断できます。後頭部に別の角のようなものがあることも特徴の一つです。

コユメ(メス)

2012年6月10日に、ここ宮崎市フェニックス自然動物園生まれのメスです。2020年8月1日に、トウマとの赤ちゃん「コナツ」を産みました。動物園を訪れると、コナツと仲良くしている姿がとても微笑ましいです。父はコブシ、母はユメです。

コユメ。前額部の角には毛が残っています。メスなので後頭部の突起はありません。

2020年11月現在では、トウマと同じくらいの身長です。オスは7歳、メスは5歳までは成長すると言われており、コユメの成長期は終わっていますが、トウマはもう少し背が伸びそうです。

コナツ(メス)

キリン業界のみならず、宮崎県全体で大きな話題となった、2020年8月1日に産まれた「コナツ」です。国内で8頭目です。

前額部の角の毛先がとても愛らしいです。

コナツ

コナツが、コユメに近づいて、甘えています!

足の雰囲気から、甘えている姿が想像できます!

2020年11月で、2m10cmに育っていますが、まだまだ表情があどけなく、可愛いです。日本の宝です。

日本のマサイキリン

日本の動物園には、アミメキリンとマサイキリンの2種が存在しますが、その多くはアミメキリンです。マサイキリンは以下の7頭のみです。

(愛称、性別、生年月日、出生場所、飼育場所の順)
ハート オス 2010.06.20 静岡市立日本平動物園 鹿児島市平川動物公園
コユメ メス 2012.06.10 宮崎市フェニックス自然動物園 宮崎市フェニックス自然動物園
トウマ オス 2016.01.27 熊本市動植物園 宮崎市フェニックス自然動物
シュウヘイ オス 2016.09.08 熊本市動植物園 熊本市動植物園
ハヤテ オス 2016.09.08 鹿児島市平川動物公園 鹿児島市平川動物公園
アヤト オス 2019.04.10 鹿児島市平川動物公園 鹿児島市平川動物公園
コナツ メス 2020.08.01 宮崎市フェニックス自然動物園 宮崎市フェニックス自然動物園
●● オス 2022.4.3 宮崎市フェニックス自然動物園 宮崎市フェニックス自然動物園

メスは、宮崎市にいるコユメと2020年に産まれたコナツの2頭だけです。血縁関係を考慮すると、国内だけで種の保存のための繁殖は困難そうです。動物園の方の話では、アミメキリンとの交配が考慮された時期もあったようですが、2016年にアミメキリンとマサイキリンでは種が異なるという報告が発表された後は、種の保存の方針に矛盾する可能性を考慮して、交配は断念されたと聞きました。

宮崎市フェニックス自然動物園の園長出口智久さんの書いた「宮崎市の動物園の歩み」では、1971年の開園のときにアフリカからマサイキリン8頭を船で運んだそうです。その後、この動物園では60頭以上のマサイキリンの繁殖に成功し、日本国内・国外に婿入り・嫁入りしたそうです。

遠くアフリカから多くのマサイキリンが海を越えて日本に渡り、その日本のマサイキリンが絶滅の危機になっています。なんとも切ない気持ちになりました。

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