映画「アクトオブバイオレンス」2018年

軍人あがりの兄弟2人デクラン、ブランドンとその更に弟ローマンの3人兄弟。デクランは平時の生活に生きがいを見いだせずに、戦争神経症のような状態。ブランドンは妻と幸せな家庭を築いている。ローマンは小さなころから幼馴染として育ったミアとの結婚を控えている。そんな中ミアが誘拐される。

誘拐犯は人身売買をしている組織で、警察とのつながりがあり、法律でさばくことができない。刑事エイブリーは警察上層部からの圧力で捜査が進まない。軍人上がりの兄弟は果敢に犯罪組織に立ち向かいます。その戦いの中で次兄ブランドンの妻が見せしめのように殺されます。更には銃撃戦でブランドンも殺されてしまい、最後まではらはらドキドキする展開が続きます。

犯罪組織に法律で罰せない警察を辞め、犯罪組織のボスをエイブリーが銃殺して映画は終わります。兄弟が警察に頼らず、なぜ自分たちが犯罪組織と直接向き合わなければならないかという設定も丁寧に表現しており、現代の法律システムの盲点にいらいらします。ローマンの嘆きが共感できたり、ブランドンの妻が死んだり(幸せの脆さ)、デクランが自分の心と向き合ったり、感情面でも大きく揺さぶられました。

感想と薀蓄(うんちく)

ブルース・ウィルスの出演する映画なので、普通のアクションものと思っておりましたが、それぞれの出演者の心の葛藤の移ろいが丁寧に描かれており、人間味のある奥深い映画でした。ダイ・ハードのような、愛する人を守るために命がけで戦う映画もあれば、愛する人を守るために戦った善良な市民のために自分の職を辞して正義を貫くエイブリーの姿勢は、ヒトのあるべき理想像を我々に突き付けているように感じました。

ローマンとミアは最終的には救われますが、ブランドンとその妻は死に至ります。トータルでどちらが良かったのかはわかりません。ただ、犯罪組織はエイブリーの決意により壊滅しますので、この後の被害者は減ると予測されます。エイブリーの心を動かしたのは、この一家の決死の覚悟です。決死の覚悟は人の心を動かします。

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