人を動かす文章術

メンタリストを名乗るDaiGoさんがテレビに出演する姿を見たときに、やらせ番組と即断し、すぐに別のチャンネルに変えた記憶があります。「人を操る禁断の文章術」という名前がインパクトがあり、アマゾンで購入したところDaiGo著書とあり、ちょっと驚きました。

読んでみると、怪しい題名とは裏腹に、どうすれば「人を動かせる」「相手に動機づけをさせる」文章を書けるかというお堅い内容です。読みやすい文章ですぐに読めました。

メンタリズム3原則

メンタルmentalの”izm”なので、精神的な背景、心理主義と言ったところでしょう。
① あれこれ書かない
人は受け取った情報が足りないときは想像や予測で判断する習性があります。文章を短くして、読み手の想像力を借り、「伝わる文章」よりも「したくなる文章」にします。
② きれいに書かない
当たり障りのないキレイな文章よりも、個人的な思いや背景が盛り込まれた文章にする。人を動かすのは、論理ではなく感情です。
③ 自分で書かない
書くべき内容は相手の心の中にあります。相手の情報を収集して、相手が読みたい内容や言葉を選び、文章を書きます。

7つのトリガー

相手に動いてもらうためには、引き金のようなきっかけが必要です。
① 興味・・・興味があることに触れれば、人間は勝手に行動してくれます。
② 本音と建前・・・本音と建前の両者を理解した上での言葉には強い力があります。特に建前を見抜くことが重要です。
③ 悩み・・・悩みが解決できるとわかれば、必ず行動します。人の悩みは、健康、将来の展望、人間関係、お金の4つのいずれかです。
④ 損と得・・・「得したい」よりは「損したくない」の思いの方が強いです。「損しませんよ」と安心させることが重要。
⑤ みんな一緒・・・自分だけがはずれることを回避したがります。また、自分と共通点を持つ人に影響されやすい。
⑥ 認められたい・・・人は周囲から承認される欲求があります。相手のプライドもくすぐります。
⑦ あなただけの・・・特別扱いされたがります。規制・制限されると、欲しくなります。
トリガーとなるものが、これだけではないように思いますが、真実をついています(ただ、断言調が多いことが気になりました)。

5つのテクニック

上記の内容を理解したうえで、効果的な書き方を具体的に提示してくれています。
① 書き出しはpositiveに・・・文章の第一印象を良くするために、書き出しはpositiveにします。体験したことをpositiveに書きます。
② 何度も繰り返す・・・メッセージは繰り返すほど、相手に伝わります。異なる表現で何度も繰り返します。
③ 話かけるように書く・・・会話調の言葉のほうが内容を覚えやすい。相手のリアクションも想像しながら。
④ 上げて、下げて、また上げる・・・中間部分にて読み手の感情をわざと一度下げることで、より強い力で行動を誘導します。
⑤ 追伸をつける・・・一番読まれる部分で、予告編のような内容を盛り込みます。「願望」や相手に「行動させたいこと」を追記します。

感想

まず、書くための心構え、次に相手を動かすためのトリガーを検討し、最後にテクニックと3拍子をそろって解説しています。例示された文章がたくさんあり、内容も容易に納得・理解できました。セールスのための文章を考える仕事の人には当たり前の内容なのかもしれませんが、私にとってはとても新鮮でした。この内容を理解した上でCMを読んだり・見たりすると、少しですが世界が変わりました。

「人を操る」という言葉は、悪いイメージがありますが、人間の深層心理を理解した「本音」と「建前」に切り込んだセールスワードだったのでしょう。思わず購入した人全員が、この本の内容とリンクさせたと考えます。

テレビで見る、なんとなく受け入れがたい雰囲気も、いろいろと考えた末のキャラなのだろうと、今なら思います。DaiGoという名前には、どんな意図が隠れているのでしょうか。今度テレビで見るときは、DaiGoさんの「一言、一言の意味を解析してみる」という楽しみが増えました。