映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」1985年

殺人事件の「目撃者」となったアーミッシュの少年とその母親を守ろうとする一人の刑事の格闘を描いています。キリスト教の非主流派として非暴力で前近代的な生活を営むアーミッシュと刑事との文化的交流や恋愛模様を描いたヒューマンドラマです。原題は「Witness」です。

殺人事件を目撃

夫を亡くしたレイチェルと息子サミュエルは、ペンシルベニア州ランカスター郡のアーミッシュの村から親族のいるボルチモアへ行く途中、駅のトイレでサミュエルは二人組みによる殺人事件を目撃してしまいます。事件を担当する刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)は母子を警察署へ連れて行き面通しを行うが、そこには殺人犯の姿はありませんでした。翌日、署内に掲示されている新聞の切り抜きをたまたま見たサミュエルが犯人の一人が署内の麻薬課マクフィー刑事であることに気づきます。ジョン・ブックは、すぐシェイファー本部長に相談し犯人逮捕の善後策を練り、マクフィーが指揮した捜査で麻薬の原料が大量に押収されましたが、紛失していたことを本部長に報告します。しかし、その日のうちにジョン・ブックは駐車場でマクフィーの襲撃を受け負傷します。

ブックとの車内での会話シーン。英会話教材VOAで、このシーンの会話が採用されています

警察内部に犯人が・・・

マクフィーが犯人であるという事実は、シェイファー本部長以外には口外していない、すなわち本部長もグルで母子が非常に危険な状況であると判断したジョンは、母子を秘密裏にアーミッシュの村に送り返しますが、彼自身も傷が深くその場で倒れてしまいます。

銃創を病院で治療すると警察に通報されてしまうため母子の家で傷を癒す事にしたジョンはアーミッシュの生活に入り込み、酪農作業や大工作業を手伝う一方で、相棒の刑事とコンタクトをとり、彼らの村がどこにあるか特定できないようサミュエルの調書を隠すように依頼し時間を稼ぎます。ブックが、母子の安全を自分の命よりも優先する姿勢がレイチェルの心を揺さぶります。

ジョンの潜伏する家を特定したシェイファー本部長は、殺人犯の二名を引き連れ目撃者とジョンの暗殺に乗り込みます。殺人犯二名はジョンにより倒されるが、シェイファー本部長はレイチェルを人質にとりジョンを追い詰めます。しかし隙を付いてサミュエルが鐘楼に登り鐘を鳴らし危機を知らせたため村人が大勢集結し、シェイファー本部長もこれまでと観念し銃を下ろし、逮捕されます。

ジョンが村を去る前に、サミュエルと名残おしい時間を過ごします

事件が解決し村に留まる理由がなくなったジョンは、レイチェルと互いに思いを寄せていることをわかっていましたが、住む世界が違うことも理解していました。二人は交わす言葉もなく別れて、ジョンだけが村を出ていきます。

感想と薀蓄 アーミッシュのこと

アーミッシュはアメリカへの移民当時の生活様式を守るため電気を使用せず、現代の一般的な通信機器(電話を含む)も家庭内にありません。近代以前と同様の生活様式を基本に農耕や牧畜を行い、自給自足の生活を営んでいます。アーミッシュの生活様式を学ぶのであれば、まずは映画「Witness」を見なさいと、いろいろなところに記載があります。服装は黒系で地味で、装飾品はありません。私の妻は、アーミッシュの服を着てみたいと言っています。文字だけでは伝わらないアーミッシュの生活を垣間見ることができました。

冒頭部分のブックとレイチェルが車の中で会話するシーン、納屋を建てるシーンは、以前勉強した英会話教材(スーパーエルマーVOAコースのNo.4)にも出てくるシーンで、前後の背景がわかり膝を叩きました。というよりもこのシーンの前後を確認したくて、この映画を探したというのが事実です。映画と以前の自分の経験が交叉する瞬間はかなり嬉しいですね。

映画の冒頭でレイチェルの義父は、母子が旅に出る際に「イングリッシュに気をつけろ」と警告します。イングリッシュとは、アーミッシュが非アーミッシュのアメリカ人を指す呼称です。ジョン・ブックも村で当初「イングリッシュ」と呼ばれていました。最後にジョンが村を出るときには、義父から「イングリッシュに気をつけろ」と告げられ、義父から最終的にはアーミッシュの一員として認められたシーンが印象的です。ようやく郷に馴染めた瞬間です。

35年前の映画で、ハリソン・フォードがとても若いです。1942年生まれなので、当時は43歳です。「逃亡者」が1993年の映画なので、それよりも8年若いです。今も残っているクラシック映画はやはり名作が多いと感じました。