映画「5パーセントの奇跡 〜嘘から始まる素敵な人生〜」2017年

実話に基づいたドイツの映画です。スリランカ人の父とドイツ人の母を持つ青年サリーは高校生の時に、先天性の病のために網膜剥離となり視力の95%を失います。周囲が勧める盲学校への転校を拒み、努力の末に普通高校を卒業します。そして14歳からの夢であるホテルマンになるために様々なホテルに応募しますが、視力障害のためにことごとく断られてしまいます。

視覚障害と仕事

視覚障害があると、就職先はコールセンターか、マッサージと言われてしまう場面があります。日本でも同じイメージがありますが、ドイツでも全く同じ状況であることに驚きました。サリーは夢を諦めきれず、障害を隠してミュンヘンにある最高級5つ星ホテルに応募します。持ち前の真面目さが買われ、見習い研修生として働くことになります。卓越した記憶力と聴力を活かし、障害を周囲に悟られないように懸命に働くサリーでしたが、それでもどうしても失敗してしまいます。しかし、同じ研修生仲間のマックスをはじめ、サリーの障害に気づいた人々のサポートで何とか課題をクリアしていきます。また、ホテルに野菜を納めている農場の女性ラウラと恋に落ち、公私ともに充実した日々を送るようになります。

うまく行かないことばかり

ところが、父が金品を持ち逃げし、家族を捨ててスリランカで再婚したことから、サリーは母と妹を養うためにアルバイトを始めることになり、その日々の忙しさから薬物に手を出してしまいます。さらに、ラウラの幼い息子を子守の最中に見失ってしまいラウラからの信頼を失ったばかりか、仕事でも結婚式のケーキを倒してしまいます。何もかもがうまく行かなくなります。感情移入していると自分が、視力障害を持ち、世界から閉ざされたような辛い気持ちになりました。

視力障害があるとグラスがきちんと磨けているかがわかりません。辛い・・・。

夢を再び

夢を諦めたくないサリーは、深く反省しホテルの教官らに障害を隠していたことを謝罪し、研修生としての修了試験を受けさせてもらえるようにお願いします。仲間からのお願いもあり、試験を受けることができるようになります。

マックスの協力を得ながら練習を重ねたサリーは、実技面での失敗はあったものの、知識面が高く評価され、試験に合格します。教官と研修生が心からお祝いするその場面はとても感動的です。見ている自分も思わず涙がこぼれました。その後、ラウラとも復縁し、ハッピーエンドとなります。

感想と薀蓄

ときどきサリーの視点からの景観が写し出され、視聴者はすぐにサリーに感情移入してしまいます。サリーが落ち込んだときは自分も落ち込み、サリーが嬉しいときは自分も嬉しくなります。最後がハッピーエンドなので、見ている自分もハッピーになれます!

視力を失ったり、歩行能力を失ったり、現代の社会にはいろいろな障害を持った人がいます。脳の能力は人は障害を持っていても同じ程度と言えます。視力からの入力が少なくなると、聴覚から、臭覚からの入力を解析する能力が向上します。何か障害を抱えている人は、別の能力が向上しているかもしれないと、前向きに生活してほしいと、と思いますが、そう伝えることは難しいと感じています。