映画「オリエント急行殺人事件」2017年 ~名探偵の解決法~

映画から学ぶ

2017年のアメリカ合衆国のミステリー映画です。監督・主演はケネス・ブラナーです。本作は1934年にアガサ・クリスティが発表した小説『オリエント急行の殺人』を原作としています。高校時代の英語のS先生が、英語の勉強をするにはアガサ・クリスティの原作を読みなさいと何度も指導されましたが、結局一冊も読みませんでした。ごめんなさい。その先生の言葉を思い出しながら、鑑賞しました。

名探偵ポアロ

「名探偵ポアロは、イスタンブール発カレー行きのオリエント急行に乗りこみます。同乗していた大富豪ラチェットが身の危険を感じ、ポアロに護衛してほしいと依頼しますが、ポアロは断ります。その日の深夜に、車内でラチェットが殺害されます。ポアロは直観と丹念な推理で事件の真相を暴きます。」

トルコの街並み

*オリエント急行とは西ヨーロッパとバルカン半島を結ぶ豪華夜行列車の総称です。

感想

一見つながりのない登場人物が、推理が進むに従いそのつながりが明らかになっていく展開が、視聴者の頭の中を大きく揺さぶります。最後を知ってみるとそのための伏線がいくつかあることに気づきます(2回観ました!)。内容的には、日本の1時間ドラマ10話分くらいの展開が含まれていました。満足感は充分です。

車窓から見る風景、列車から降りたときの駅の風景は、とても美しく、1カット1カットが1枚の完成された絵画のようでした。最終的には、なんとなくの勧善懲悪の結末にも少し安心させられます。楽しめました。

スイスのマッターホルン

機微考察

観賞1回目は吹き替えで鑑賞しました。字幕だと、画像の見落としが多くなり、推理に集中できないからです。2回目は字幕で鑑賞しました。推理に集中しても、どんどんとその推理が外れていくことで眠気も吹き飛びます。推理が外れるのは視聴者とポアロが同時に裏切られていく展開が視聴者を飽きさせません。最終的なストーリーの展開に無理がない点も好感が持てます。そしてその展開に全く気が付かなかった自分が少し悔しくなります。

映画とテレビドラマの違いは、時間とお金です。テレビ番組は同じ時期に国内のみで一斉に放映となり、再放送は1,2回のみです。費やせるお金はしれています。その点映画は数十年経っても鑑賞され続ける映画がたくさん存在します。また製作する側にも歴史に残そうとする意気込みが感じられます。そうなると、推理ものの映画は2回くらい観てちょうど良いのかもしれません。