痛風発作 ~高尿酸血症と共に生きる~

現在50歳台前半ですが、血液中の尿酸値が高いと指摘されたのは20歳台後半のころです。でも、糖尿病と同じで”何か症状”がなければ健康診断の結果はチラ見しただけでなんの行動変化ももたらしません!

初めての痛風発作

30歳台後半のある朝、左足の踵に激痛を感じました。何事が起ったかと思いました。その前日にいつもよりも多めに飲酒したこともあり、酔っぱらって足を挫いたか、と思いました。でも、踵を挫くかしら?この痛みが数日後には改善しました。

父親が足の親指付け根に痛風発作が度々生じていたことを思い出しました。これが痛風発作、まさか・・・

しかしながら、痛風ということになると、長い長い節酒~禁酒生活になると思われ、自分では「これは痛風ではない」と根拠なく言い聞かせました。

アキレス腱付着部炎?

そんなときに、知り合いのベテラン整形外科とお話する機会があり、踵痛のことを相談すると診断は「アキレス腱付着部炎疑い」と。少し前にキックスケーターで踵を痛めたことがあったからです(この整形外科の先生には、”普段から尿酸が高いこと”と”前日の多めの飲酒のこと”は秘密にしていました。ごめんなさい!)。

でもその数か月後に再び同じ痛みが自分を襲います。それも同じく多めの飲酒の翌日に!
やはり、この踵の痛みは痛風発作という結論にせざるを得ないと考えました。

懲りずに数回以上発作を繰り返した結果、結節になっています

今から考えると初めの踵痛は「痛風発作」以外の何物でもないのですが、別の診断をくれた整形外科の先生は、(全てを理解したうえで)私への優しさから逃げ道を用意してくれたのかもしれません。

痛風発作とは

日本人の高尿酸血症は成人男性の約30%とされ、痛風発作は同じく成人男性の1~1.5%に見られます。食事、生活習慣の影響もありますが、遺伝的要因の影響も強いです。私の場合は、父親からの遺伝と食事・飲酒生活が影響していると考えられます。

足関節に発症、特に母趾中足趾節関節が多いですが、踵に発症することもあります。ただ、初回発作は診断が容易でないこともあります。更には知り合いで「痛風であると診断されることに否定的」で、「高尿酸血症であることを隠蔽する人」への診断は難しいのかもしれません。

数回の発作の後、フェブリク® 20mg/dayを内服開始となり、その後発作が生じていません。

アルコールと尿酸値

アルコールが体内の尿酸値を上昇させるメカニズムは複数存在します。

①アルコールは体内のエネルギー源であるATPを分解し、プリン体を生成します。そのプリン体が尿酸として体内に残留

②腎臓からの排泄機能が低下し、尿酸排泄が低下し、貯留

③飲酒時にプリン体を多く含む食べ物を食べがち(レバー、肉、白子、いくら、いわしなど)

プリン体の多いビールなどのお酒が悪いという考えもありますが、その影響は限定的で排泄障害の影響の方が強い場合が多いようです。

アルコール濃度の高いお酒は、翌日に脱水傾向になることあるので、注意が必要です

久しぶりの再発

コロナ禍のこともあり、2021年の年末に数年ぶりに実家に帰省しました。発作なしの期間が続いていたこともあり、フェブリクは(本来は毎日内服ですが)週に数回飲む程度のダメ患者の状態でした。

数日間の豪華な食事と飲酒の後、左踵痛が・・・。実家では隠していましたが、宮崎に戻るとすぐに奥さんから「足痛いの?」と指摘されました(鋭い!)

観念し、実家での肉食を報告し、懺悔します。痛みは軽度だったこともありフェブリクの再開としました。

経験からの考察

人生の中で10回以内ですが、痛風発作を耐えてきた経験からの考察を記載します(印象です・・・)。

痛風発作に関して、アルコール度の高いお酒を多めに飲むことが大きな誘因となります。
ビールなどのアルコールによるプリン体増加よりも排泄障害脱水の方が影響が強い印象です。アルコール濃度が高いお酒を飲んだあとに限って発作が生じます。

肉摂取量の影響も強いように感じます。食事も重要です。

古傷があるところに生じやすいのかもしれません。私の場合はいつも左足踵で、それ以外の部位には発作生じていません。

最後に、処方された薬はちゃんと内服しましょう!

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。