ペップトーク PEP TALK で、明るく、楽しく、前向きに!

ペップトークは、もともとアメリカでスポーツの試合前に監督やコーチが選手を励ますために行っている短い激励のスピーチです。先日、テレビを見ているとペップトークの短い特集があり、これを実践するとスポーツとは関係なく、皆が前向きになれると確信しました。

早速勉強してみようと決意し、「実践!PEP TALK」(浦上大輔著)を購入しました。重要な部分は段落が分けてあったり、太字で示してあったりと、読みやすさに工夫がしてある本でしたので、一気に読めました。

積極思考への変換

全てのペップトークの基本となるpositiveな言葉です。いわゆるpositive thinking 積極思考です。
とらえかた変換
「すぐキレる」→「熱心だ」
「難しい」→「やりがいがある」(浦上大輔氏の挙げている例)
「簡単です」→「達成感が味わえる」(ここから ひじきオリジナルです!)
「いいかげん」→「中庸の実践」
「ずるがしこい」→「スマートね」
「仕事が遅い」→「丁寧な仕事」
「アホやなあ」→「センスがいいね」

前向きな言葉に変換する習慣が大切です。少し前にはやったネガポ辞典と同じ発想です。これを続けると人生自体が前向きに変わってくることを自覚しつつあります。

これを自分の心の中で実行するのは、いくら実施しても大丈夫です。ただ、周囲を巻き込む形で実施する際は、ほどほどが良いのかもしれません。そうでないと、「変なテンションの奴」とのレッテルを張られます。でも心配不要です。もしレッテルが貼られても「変なテンションの奴」→「楽しいノリの奴」と変換すれば良いのです。

自分へのペップトーク

自分自身を励ますペップトークです。心の中でつぶやいたり、声に出すと、心が元気になる言葉です。周囲に元気を与えるには自分が元気である必要があります。

重要なことは自己に対する「受容と承認」です。
自己受容とは、自分で自分の状態を受け入れて受容することで、自分のマイナスの面、マイナスの状況を受容します。自己承認とは自分にあるものを認め、承認していくことで、マイナスの状況のプラスの面に目を向けることです。自己重要感を醸成することにもつながります。

自分に対して、背中を押すセルフペップ、気持ちを立て直すセルフペップ、感謝を伝えるセルフペップ、この3つを具体的に書き出して、楽しみながら実践することが強く推奨されます。

人間は、2つの感情を同時に持つほど器用にはできていません。自分は元気だと言い聞かせて、元気なふりをすると、本当に元気になります。自分が本当に元気になれば、周囲を元気にすることができます。こんな時代だからこそ重要な考え方ですね。

周囲へのペップトーク

浦上大輔氏の書籍では、基本は以下の4つの行程が提示されています。
① 受容(事実の受け入れ)
② 承認(とらえかた変換)
③ 行動(してほしい変換)
④ 激励(背中のひと押し)

受容は辛い状況であっても、将来へのステップとして前向きにとらえて発信します。辛い事実であっても、物事には必ず二面性があり、悪い面があれば良い面もあります。その良い面にも注目して事象を解釈・承認します。相手に何かをしてほしいときは、禁止口調(~はダメ)ではなく、相手に対する期待(~してほしい)という言葉が効果的です。そして最後に、相手を元気にする激励の言葉で相互に元気になります。

自分の周囲が前向きになれば、自分も同様に前向きになれます。雰囲気の良い職場は、常にクリエイティブなことからもよく分かります。

フローランテ宮崎にて(2021.2.11撮影)

ペップトークへの誤解

あまりペップトークを真面目に実践するとデメリットもあるのではないかと、考える人もいると思います。デメリットが全くないわけではありませんが、メリットの方がはるかに大きそうです。

例えば・・・
「楽しいだけでは成果が出ない」⇒「楽しむこと」と「楽をすること」を分けて考えます。「楽しむ」だけではいけませんが、「楽しむ」要素はとても重要です。

論語に「子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」とあります。楽しむことは仕事を効果的に成功させることに必須の要素なのです。

「ダメ出ししないと成長しない」⇒ミスや足りないところを改善点、伸びしろとして前向きにとらえます。「ダメ出し」は成長のカギという意味がお互いの共通認識となれば、「ダメ出し」はペップトークの”柱”の一つと認識できます。

どんな辛い言葉でも、相手の成長を望む心がけと相手に対する信頼があれば、少し気をつけるだけでデメリットはほとんどないと言えます。信頼関係のある中での発言は相手にも伝わります。しなしながら、信頼関係がない時は、素晴らしい言葉であっても相手には伝わりません。相手を思いやる心があった上でこそのペップトークなのかもしれません。

最後に「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」(エリック・バーン)。ペップトークを使って、明るく、楽しく、前向きな、自分・家庭・職場の未来を作りましょう!

参考書籍
浦上大輔.「実践!PEP TALK」フォレスト出版 2019年