難病・病気と支援サービス・社会資源

病気になったとき、特に慢性の難病になったときに、これからどう生きていけば良いのだろうと悩んだ方がいらっしゃると思います。自分は大丈夫でも、家族や身近な人が悩んでいるのかもしれません。そんなときに、知っておくと良さそうな社会資源をまとめてみました。

===下記情報は個人的に興味の範囲で収集した限定的な情報です。間違いもあるかもしれません。参考程度に留めてください。===

● 相談できる場所・人 ●

医療機関(医療相談室、ソーシャルワーカー、医師、看護師など)
保健所
県・市町村役所(福祉関連の部課)
地域包括支援センター(65歳以上の方が初めに相談しやすい窓口です)
社会福祉協議会(半官半民の組織)
ケアーマネージャー(介護保険利用者)
患者の会

利用できるかもしれない制度 ●

経済的な支援

高額療養費
健康保険の毎月の自己負担額が一定以上になった場合に払い戻される制度です。
上限額は、年齢、所得、健康保険の種類で異なります。「認定証」(限度額適用認定証)を事前に申請すると一旦払いの必要がなくなります。
相談は保険者(保険証を発行しているところ)

参考までに(最新のものを必ずご確認ください)

⇒ 指定難病
難病の患者さんに対する医療費助成の制度です。
2019年7月時点で333疾患が指定されています。

自己負担限度額・月額(最新のものをご確認ください)

小児慢性特定疾患
対象は、18歳未満(引き続き治療が必要であると認められる場合は、20歳未満)の児童です。
月当たりの該当疾患に対する医療費に上限(外来と入院では上限が異なります)ができます。上記の高額療養費よりは低い額になります(自己負担が少ない)。
申請は、県・市町村の福祉関係部署または保健所

⇒ 身体障害者手帳
⇒ 精神障害者保健福祉手帳
等級に応じて公的サービスを受けることができます。
身体障害者認定の基準はこちらを参照
 複数部位の障害の場合の等級は指数で算出します
参考として、障害部位・等級により、税法上の優遇措置(障害者控除、自動車税減免)、生活保護の障害者加算の手続きの簡素化、携帯電話料金の割引、NHK受信料の免除、JR/私鉄/タクシー運賃の割引。
1級、2級(かなりの重症)は、特別障害者手当(月額 27,200円)が支給されます。3級以下はメリットは限定的です。書類の代金との兼ね合いで申請するかどうかを判断します。

自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)
心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担額の一部を支援します。対象は、精神科疾患ですが、てんかんも含みます。入院費は対象外です。
申請は市町村の担当窓口(障害福祉課、保健福祉課など)。

⇒ 障害年金
病気や怪我が原因で生活や労働に障害を来したとき、生活を保障するために支給される年金制度です。国民年金は 1-2級、厚生年金・共済年金は 1-3級があります。相談の窓口は 各年金加入者になります。

傷病手当
病気療養のために仕事を休み、勤務先から給料が支払われない場合は、障害手当金の請求ができます。対象者は健康保険(国民健康保険を除く)の被保険者で①療養中、②仕事に就けない、4日以上仕事を休んでいる、④給料の支払いがない方です。
申請窓口は、各事業者で、勤務先の担当者と相談になります。

⇒ 生活福祉資金貸付制度
金融機関や公的貸付制度から借入が困難な世帯に対する貸付制度
相談窓口は、町村の社会福祉協議会

⇒ 生活保護
最低限度の生活を保障するとともに、自立した生活を送れるように援助することを目的とした制度。

身体負担に対する支援

⇒ 介護保険(訪問看護など)
対象者は①65歳以上、または②40歳以上65歳未満で「特定の疾患」に該当する方で、介護が必要な方です。
居宅サービス:自宅で生活する人を対象としたサービス。訪問による介護・看護・リハビリテーション等、デイサービス、ショートステイ、福祉用具のレンタル(10%の自己負担)・購入費の支給、住宅改修費の支給等
施設サービス:介護保険施設に入所して提供されるサービス
地域密着型サービス:可能な限り住み慣れた自宅kや地域で生活できるよう、身近な市町村で提供されるサービス
申請窓口は市町村の介護保険相談窓口、地域包括支援センター

⇒ かかりつけ医
訪問診療・往診
病院とは別に日常診療の相談ができます

精神的な支援

⇒ 患者の会
同じ病気をもつ患者さんが、お互いの悩みを分かち合い、共有し、連携することでお互いに支えあう会

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いろいろありますね

まだまだありそうですので、適宜追加しようと思います。地域によって申請する部署が異なることもあるようです。これらの制度は、ときどき変わりますので、上記記載は間違いも含むという前提でお読みください。そのため、参考程度に留めてください。

厚生労働省補助事業として公益財団法人難病医学研究財団が運営している難病情報センターのサイトもかなり参考になります。

困ったときは、まず、詳しい方に相談することが第一歩になります。社会福祉士などの資格を持ったプロがお勧めです。病院に通院中の方は、医療相談室のような部署に相談されるのがお勧めです。そうでない方は、はじめに記載したいずれかの機関に、何が困っていて、何を期待しているのかを、なんとなく考えてから相談すると良さそうです。

病気になっても、日本にはいろいろな面で社会が助けてくれるシステムがあります。上記をうまく利用しながら、前向きに生活していく方法を模索してください。