月曜日の憂鬱~ブルーマンデー症候群~

月曜日の出勤はなんとなく、気怠い気分の方が多いのではないでしょうか。英語には憂うつな月曜日という意味で「ブルーマンデー」という言葉があります。月曜日は休暇明けで本調子でないため、月曜日に製造された自動車は欠陥品が多いというジョークまであります。

仕事を休みたくなるのは月曜日

統計によると仕事を休みたくなる日は圧倒的に月曜日が多く、仕事上のミスも月曜日の午前に増加することが示されています。医学的にも、心筋梗塞などストレスが関連する疾患は月曜日に有意に多いことが証明されています。脳卒中も同様に月曜日発症が最も多いされ、特に40-59歳の働き盛り世代の全脳卒中(脳梗塞、脳出血)では一番少ない日曜日を基準とすると、月曜日発症者数は1.4倍になります。[倉鋪桂子, 2004]

自殺が多いのも月曜日

子供の自殺が、夏休みが終わり、新学期が始まる直前に多いことは周知の事実ですが、働く世代の「男性の自殺」が多いのは1週間の中で、月曜日の朝(午前5~6時)というデータがあります。このデータもかなり気が滅入ります。

日本における発見曜日別の一日平均自殺者数(厚生労働省、2018年)

海外の研究では、韓国における自殺の発生曜日の研究調査(1997-2015年)があります。自殺の発症は、全年齢層において月曜日が最も多く、特に29歳以下の若年層においてその傾向は著明でした [Kim, 2019]。

行動科学の研究においては、月曜日は肉体的には好調でも、知性は不調とされています。そのため重要な決定をする会議などは月曜日ではなく、水曜日か木曜日にもっていくことが適切との報告もあります。いろいろな会議が月曜日に少ない印象がありますが、このような背景のためかもしれません。

ブルーマンデー症候群セルフチェック

セルフチェックリストがあります。
① 人がいいと言われる
② 他人と争うのは好きじゃない
③ 週末はゴロゴロしているだけだ
④ 日曜日の夕食は美味しく食べられない
⑤ 日曜日の夜はイライラして寝つきにくい
3つ以上当てはまるとブルーマンデー症候群の可能性が高いとされています。[関谷透氏提案]

対策は?

対策としては、日曜日の日中はよく眠れるように積極的に運動をすること、知性のリズムを取り戻すように日曜日には楽しい頭脳活動(読書など)をすることが挙げられます。職場側の対策は、月曜日は頭脳労働ではなく肉体労働に重点をおく、重要な会議は、水 or 木曜日にするなどがあります。個人的な感覚では仕事が生きがいという方を除いては、多かれ少なかれブルーマンデー症候群の要素があるのではないでしょうか。

コロナ禍で辛い立場の方もいるかもしれませんが、「明けない夜はない」と言います。手前味噌のようで申し訳ありませんが、このブログの 前向き思考 には、日常生活の悩みにどう対応すれば「明るく、楽しく、前向きに」なれるかを、私なりにいくつかの書物を参考に一生懸命書いております。よろしければ参考にしていただき、少しでも心の荷物を軽くしていただけると嬉しいです。

文献
倉鋪桂子ら. 鳥取県における脳卒中発症の季節および曜日変動について. 米子医学雑誌 2004; 55, 249-257
Kim E, Cho SE, Na KS, et al. Blue monday is real for suicide: a case-control study of 188,601 suicides. Suicide Life Threat Behav 2019;49:393-400.