茨木のり子「おんなのことば」 ~人生で初めて買った詩集~
世界の果てまでイッテQでお馴染みのイモトアヤコさんが、とある番組でお勧めの詩集を紹介しました。それが茨木のり子さんの「おんなのことば」です。紹介された詩は「自分の感受性くらい」です。心に突き刺さるものを感じた私はその数分後にネットで注文しました。
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茨木のり子
茨木のり子さんとは、1925年に大阪市で生まれ、2006年くも膜下出血でお亡くなりになりました。
1925年生まれなので、青春時代は第二次世界大戦の真っただ中で「一億玉砕で、みんな死ね死ねという時」だったと本人が述べています。19歳で終戦を迎え、1950年から埼玉県所沢に移り住みます。私自身も大阪生まれで、所沢市に住んでいたこともありますので、とてもシンパシーを感じます。
茨木のり子さんの詩は、「天声人語」(朝日新聞、1999年)、「3年B組金八先生」(2007年)で紹介されたこともあり、実はかなり有名な方だと知りました。
「自分の感受性くらい」
詩「自分の感受性くらい」は、同じ名前の詩集「自分の感受性くらい」に含まれている詩です。
自分の感受性は、磨くも鈍るも自分次第、だから自分自身が責任を持って育てなさいと言っています。戦中、戦後でいろいろと不便な時代を過ごした中で、物質的なものはなにもかも自分の思い通りにはいきません。でも、心の中だけは誰にも侵害されない自分の思うままの「聖域」と感じたのだと思います。
その心の中の聖域は、逆に自分自身以外には誰も管理してくれません。感受性がにぶっても、それを誰かのせいにして責任逃れをすることは許されません。潤いのある楽しい人生にするかしないかは自分自身だぞ!、と強い言葉で言い切ります。
「自分の感受性」にぼんやりと対面していた自分が恥ずかしくなりました。
詩集「おんなのことば」
詩集「おんなのことば」は、茨木のり子さんの複数の詩集から童話屋の田中和雄さんがセレクトした詩集です。
「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります」という茨木さんの言葉に共感を覚えた田中さんが、読みやすい形にして1994年に発行しました。1994年は私が社会人一年目の年で、奇妙な縁を感じます。
上記の詩以外にも、心に響く詩が34編掲載されています。本はハードカバーで、見た目がおしゃれです。おじさんが電車の中で読むには、少し照れてしまう可能性がありますが、自宅のソファーでゆっくり読むにはちょうど良さそうです。