周囲がどうみえるかは、自分の心のバロメーター ~宮崎日日新聞「ことば巡礼」より~

職場にある地方紙・宮崎日日新聞をときどき読んでいます。コラム「ことば巡礼」は、印象深い内容が多く、必ず読むようにしています。

全国紙か地方紙か

宮崎県のような地方都市に住んでいる人にとって、どのような新聞を読むかは生活の上で重要な要素になります。読売、毎日、朝日新聞のような全国紙を読むのか、宮崎日日新聞に代表される地方紙にするのか。

全国紙であれば、世界のニュースが比較的偏りなく掲載され、コラムの質もとても高いです。地方紙は地域の話題が多く、週末に外出する際に参考になる記事が多いです。一方で、全国~国際的なニュースは他社ソースからの転載がほとんどです。コラムの質は全国紙よりも物足りない印象です

ことば巡礼

そんな中で、宮崎日日新聞のコラム「ことば巡礼」は際立った光を放っています。毎日の記事が深いテーマで、とても勉強になっています。朝日新聞の天声人語と並ぶ質を誇ります。全国紙ほど読者がいないことがとても残念です。

2022年12月19日のことば(矢口誠さん記載)はとても参考になりました。俳優・宇野重吉さんの言葉で「人の芝居の粗(あら)ばっかり見えるときは、おまえの心がさもしいときなんだ」と後輩の役者さんに説いた教えです。自分の機嫌が悪いと周囲に不満をぶつけたくなり「芝居の粗」が目につき、機嫌が良いと「芝居の良い部分」に気づくことができます。他人の欠点を過剰に批判したくなるのは、自分の不満のはけ口としたい感情があるからです。

相手を貶めることによって、自分の相対的地位が上がり自己肯定感を上げるという背景もあります。ただ、悪口を述べることにより「自分の相対的地位」は自分の心の中だけで上がり、逆に周囲では下がってしまうことがほとんどですが。

振り返り

これまでの自分の人生の中で、愚痴や悪口が多かった時期は、自分の心がさもしい(心が汚く、卑しい、あさましい)ときが多く、反対に幸せだった時期には「周囲を批判する言葉」は少なかったように感じます。宇野さんの言葉は、自分の体験にも一致する言葉と感じました。

「心から幸せなとき」は、「周囲の良い部分が見える」ようになり、「上機嫌」になります。この3者は、一方通行ではなく、それぞれがお互いに連動しています。即ち、上機嫌であれば、周囲の良い部分に気づき、心から幸せになれます。素晴らしいですね。

「運転者」の喜多川泰さんの作品にも、上機嫌でいることが自分の幸せ・運を引き寄せると解説されています。自分が上機嫌でいることが、自分が幸せになるために重要な要素であると改めて気づかされました。

「周囲がどうみえるかは、自分の心のバロメーター」とは、非常に重要な気づきでした。周囲を批判的に見てしまう自分に気づいたら、自分の心が病んでいるのかも、と振り返る必要がありそうです。