野村克也監督からの言葉~人として~

前回に続いて、野村克也氏の著書「リーダーとして覚えておいてほしいこと」(2020年、PHP)の紹介です。この本にはリーダーとしての心構えのみではなく、組織人としての有用な考え方についても触れています。

「平凡の非凡」。たとえ平凡なことでも、それを続けられる時点で非凡である。努力を続けられるのは一種の才能である。

素振りをするのは平凡なことでも、それを長年続けることは非凡なこと、と説明しています。この言葉を読んで、大学受験通信教育のZ会の宣伝を思い出しました。当時は毎日続けることの重要性には気づいていませんでした。今の自分に当てはめると、10年以上継続しているのは今の仕事と「柑橘の育成」(完全な趣味ですが)くらいです。前者は職業として一応プロの領域に入ってますが、後者はいまだに趣味の領域です。ただ、両者とも非凡と言っても良いのかもしれません。

「失敗」をきちんと「失敗」だと認めることが重要である。「失敗」と書いて、「成長」と読む。失敗を認めないことは、せっかくの学ぶチャンスを失うことだ。

物事がうまく運んでいるときは、気分は良いのですが、成長する度合は小さいです。うまく行かず失敗したときこそ、自分に何が足りない・足りなかったのかが判明し、成長につながります。しかしながら、それを「失敗」と認知しなければ、学ぶことができません。上手く行かないときは謙虚に失敗を認め、分析する姿勢が大切です。

仕事に慣れた20代前半時の上司の仕事ぶりが、その後の自分のやり方の主流になることが多い。

野村克也氏が若いころに仕えた鶴岡監督の影響を受け、同じやり方で選手に接したとあります。自分も若いころの上司に発想が似ていると感じることがあります。同じく、自分が育てた若手が「自分と同じ言葉」を言っている場面に何度か出くわしました。喜ばしいことであると同時に、人を教育することの重大性に気付かせる一言でした。

同じことをやっても変わらなかったのだから、まず自分が何かを変えてみないか。

同じことをやって、やり続けて、失敗が続くときは、相手に変化を求めてもそれはかないません。自分が正しいことをしているという信念があったとしても、上手く行かないときは、勇気を持って自分が変わることを検討します。

不振のときに、諦めてはいけない。「ピンチを乗り越えられる」ということは、イコール「上昇に転じられる」ということだ。見方を変えれば、「ピンチは、チャンス」なのである。

「明けない夜はない」と言います。どんなに不振なときでも、いつかは必ず上昇の機運が訪れます。そこまで継続する非凡さがあるかどうかが重要です。リーダーとして、人として、何かを達成するときは諦めない強い心が重要です。

野村克也氏は、「周囲を幸せにするための、監督として、リーダーとして、人としての姿勢」を我々に語りかけているように感じました。自分を確立した後に、周囲の人を充実させることに心配りをしています。学ぶことが多い著書です。

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